◇第二十罪:忘却の蝶は追憶の羽を取り戻す−4/4−
飛べなかったの羽がなかったから
私は何も知らずに、安穏な繭の中で過ごすばかりで
自分に羽があるなんて思ってもみなかった
それは罪で作られた罰の羽
重く哀しい追憶の羽
けれども羽がなかったら、私は飛べないから
貴方と一緒に飛べないから
ひらひらと、白い雪と共に空に舞えば
過去と未来が見えてきた
濃い闇に冒された歴史を、開く時までもう少し…
私の犯した罪の重さ
辿る運命の残酷さ
立ちはだかる絶望に、今度こそ立ち向かおう
真実を伝えこの血を捧げることが、私にできる唯一の贖罪だから――――
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