◇第二罪:ナイト・クラス−3/7−
side 白亜疲れた…。
昨夜はずっと理事長の演説に付き合わされたから。
その薄ら寒い演説の効果なのか、熱も下がって今日は登校できたのだけど。
「黒主!黒主優姫!!」
先生に当てられているのに優姫はぐっすり夢の中。零もまた然り。
――本当は私の方が一つ年上だけど、優姫のそばにいるために初等部から同学年にしている。
零は留年したから同じ学年なんだけど。
「黒主!!錐生!!」
いつもなら起してあげるけど昨夜逃げたお返しよ、お二人さん。
「補習だ!二人とも!」
授業が終わって皆が帰り支度をし始めてからやっと優姫は起き出した。
「ふあぁっ また補習かぁー」
『クス、大きな欠伸』
「白亜ー、何で起してくれなかったの〜」
うらめしそうに優姫は唇を尖らせて拗ねる。
本当、可愛いんだから。
「ねー、頼ちゃんも一緒に補習受けようよーっ。アイツと二人きりなんてつまんないよー」
「ダメ」
縋る優姫をスパッと斬る沙頼。かっこいいわ。
『沙頼、もっと言ってやって。それくらいじゃこの子には効かないわ』
「優姫、少しは白亜を見習ったら?補習どころか毎回トップ。それにいいじゃない、あなたと零くん、仲いいんだから」
「よくないよ」
『さあ、行きましょうか沙頼。補修の二人は置いて』
零は何も言わないけど、ピリピリしてる。
二人へのお仕置きはこのくらいでいいかしら。
『二人とも…ほら、早くしないと来ちゃうわよ。夜が…。ああ、でも大丈夫よ。出待ちの警備は私がしとくから』
背後で二人が顔を合わせたのを感じたけれど、気にしないわ。