◇第十六罪:罪の鎖で繋ぐ絆−6/6−
白亜の部屋の窓がしっかり閉まったのを見届けてから自室に戻りシャワーを浴びた。夥しい量の血が水に溶けて、浴室の床一面が赤く染まる。
しかしどれだけ血を洗い流しても、この罪は消えはしない。
白亜……、君にまで閑の血を飲ませて、本当に良かったのかな……?
純血の血は人間である君の身体には強すぎる。
僕でさえすでに力が溢れて制御が難しいのに……
それでも嬉しかった。
君が僕と同じ罪に堕ちたいと言ってくれたことが……。
僕たちは運命を共にしてきた。
幸福も絶望も、すべて。
そして今夜、僕たちは同じ罪を啜った共犯者になった。
この永遠の生を共に歩めるのは君だけ。
遥かな過去も、果てない未来も
他の何を失っても、君がいてくれればそれでいい。
白亜の笑顔を思い出す。
僕に向けられるやさしい眼差し。
記憶を無くしても、僕への気持ちは消えていないと
そう、信じてもいいのかな……?
白亜………
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