王妃の日記 | ナノ


 ◇第十五罪:純白×真紅×漆黒−4/8−
side 白亜

目を覚ますと、すでに夕方だった。
あれからずいぶん眠ってしまっていたみたい。
重苦しい身体を起して血液錠剤を多めに飲んだ。

彼女が動くなら今夜。

試験は休んでしまったけれど優姫は大丈夫だったかしら……


――コンコン
身支度を整えていると窓が叩かれた。

そこにいたのは

『……星煉?』

「白亜様、窓から失礼致します。枢様からの贈り物です」

星煉から渡されたのは長方形の白い箱。
中に入っていたのは真っ赤なドレスだった。

「お支度を手伝うようにと仰せつかっております」

断ろうとしたけれど、準備には誰かの手が必要なことに気付いた。

『じゃあ…お願いしようかしら……。でも星煉……これから見るものは他言無用よ。もちろん枢にも』

「御意」

後ろを向きファスナーを下ろすと、ワンピースがするりと肌を滑った。
星煉が目を見張ったのを背中越しに感じた。

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