王妃の日記 | ナノ


 ◇第十四罪:クイーンは不敵に微笑む−7/8−
「教えたこと忘れんなよ。今夜はもう寮に帰る」

勉強が一区切りしたところで優姫を部屋に残し、零は私的居住区を後にした。

あの女に咬まれた首筋が疼く。
あり得ないと思いながらも本能はわかっていた。

向かう場所は夜間部の仮の寮。
冷たい広間には白い少女が微笑をたたえ、彼を待っていた。

「そう……君は"私"を感じることができるの」

高い天井に少女の声が響く。

「だって"絆"があるんだもの。今はそれが心の空洞を埋めてくれている……」

疑惑が確信へと変わる。
零は彼女の胸に銃口を突き付けた。

「やあっと……殺しに来たのね……」

少女は不敵に微笑んだ。

「過ちを犯した私に罰を与えて……零……」


――その引き金を引けるなら――

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