王妃の日記 | ナノ


 ◇第十二罪:散らばったピースをはめるのは誰−4/6−
僕は瑠佳たちの部屋のドアを勢いよく開けた。

「瑠佳っ!教えてくれ!!」

「英!?あなた、突然何なの!ノックぐらいなさい!!」

「わ、悪い…」

瑠佳はぶつぶつ言いながらも、紅茶を運んできてくれた。

「莉磨はもう眠っているんだから、静かにしてちょうだい」

「まだ三時だぞ!」

「明日撮影の前に、支葵と"狩り"に行くんですって」

「…ああ、なるほど……」

元老院のお達しか。

「それで、一体何の用なの?」

「玖蘭家の家系図を見せてほしいんだ。お前なら持ってるだろ?」

「あら、珍しい。貴方が歴史に興味を持つなんて」

瑠佳はそう言うと本棚からいくつかの資料を取り出した。

「それで、いつの時代のことが知りたいの?公式に出された物と、私が調べて独自に書いた物とがあるけれど…」

「枢様の妹君について知りたいんだ」

「……なぜ?」

瑠佳は怪訝な顔をした。

「少し、気になることがあってな。…玖蘭家に姫君がいたということは真実なのか?」

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