◇Debutante◇
どっきどっきどっきどっき
やばい。
これはやばい!
出る出る出る出る鼻血出るーーーーー!!!
どうしようっ妄想しすぎたっ!!
英と暁を絡ませたら大変なとこまで逝っちゃったよっ!!(私の脳内が)
今日は鼻血出しちゃいかん!!ドレスが汚れる!!
駄目だ、どうしよう。
ドキドキしすぎて気持ち悪…。
きっともうすぐ心臓吐く……。
「珠姫?」
下を向いてしまった私を心配そうに覗き込むお兄様。
……これはチャンスだ。
倒れこんじゃえっ!えいっ☆
「珠姫!?」
「……ごめんなさい、お兄様。ちょっと立ちくらみが…」
「緊張して疲れたのかな。少し向こうの部屋で休もうか」
「えぇ…。英くん、暁くん、ごめんなさい、席を外させてもらうわ…。また今度ゆっくりお話しましょう?」
「珠姫ちゃん大丈夫!?」
「一条、 ちょっと失礼するよ」
お兄様はそう言うと軽々と私を抱き上げた。
おおおおおお姫様だっこ!!!
この場で!?このタイミングで!?
お兄様私の心臓(と脳内)はもうキャパオーバーですのにっっ!
まぁでも、これが目的だったんだけどね。むふっ。
あー幸せ。
ホールの二階にある休憩室にお兄様は私を連れて入った。
わお☆原作の藍堂家の夜会の時みたいなカウチがあるよっ。
もちろんお兄様はそのカウチに私をそっと寝かせた
ふー、だいぶ落ち着いてきた。
「珠姫、大丈夫?」
「もう平気よ。夜会、抜け出させてしまってごめんなさい、お兄様…」
「いいんだよ、珠姫と二人きりになりたかったからね」
「…私も」
「その言葉は信じてもいいのかな?」
「え…?」
「今日君はいろんな男に笑顔を振りまいていたからね…。嫉妬、していたんだ」
やっぱりーっ!やっぱりYAKIMOTI妬いてくれてたんですね、お兄様!!
きゃっは、うっれしーっ☆
「お兄様がずっとついててくれたから嬉しかったの」
そう言うとお兄様はとびきりの笑顔で微笑んでくれました。
ぐわいす!!きゃらおす!!けるちょっぱぁぁぁあ!!!
萌エめーたーガ振リ切レマシタ。
ピ――――――――――あ、心臓吐く。
―END―
―6/6―
≪ | ≫