「なまえ様、なまえ様」
「壱丸さん、どうなされたのですか?」
「嗚呼なまえ様、僕はですね、貴女を愛しているのです。ええそれはとても。ねぇなまえ様?貴女は僕を、この壱丸を許してくださいますか?」
ええ勿論、となまえ様は僕に笑顔を見せる。嗚呼なまえ様、なまえ様はやはり僕の愛するヒトです。
なまえ様の腹部に刺さる小太刀が綺麗で綺麗で思わず息を飲んだ。なまえ様は僕の刺した小太刀にただただ驚いているようでした。
「その銀と紅の混じりがとても美しいですなまえ様…」
「な、何故……壱丸、さん…?」
「どんどんどんどん…、はあ、美しい…美しい…」
息が荒くなっていく。なまえ様の息も荒い。なまえ様、僕たち同じ気持ちなのでしょう?嗚呼貴女は芸術の様に美しい。その瞳の雫すら愛しくて愛しくて仕方ありませぬ。
―――
彼女は死ねなかったです
壱丸さんに刺殺もどきさせたかっただけです
11.12.03
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