病み部屋 | ナノ


※マイソロ3設定


「ロイドさん!大好きです!」
「俺も!」


抱きしめ合う私とロイドさん。ちょっとロイドさんのほっぺは赤くて、きっと私と同じで照れてるんでしょう、と笑ってみました。


「んじゃ、俺クエストで1週間いないけど、待っててくれよな!」
「はい!気をつけて行ってきてくださいね!」


私の恋人さんのロイドさんとよくお話しするレイヴンさんが行ってしまった今、私は暇になってしまったので寝る事にしました。
ですが。


「なまえ、少し、話したい事がある」
「クラトスさん?はい、わかりました!」


私がクラトスさんについて行くと、クラトスさんのお部屋に到着しました。さて、お話しって何でしょう…?


「私は、なまえが好きだ」


クルリと振り返ったクラトスさんに言われた言葉。


「私もクラトスさん好きですよ?」
「愛しているのだ…」
「あ、愛っ、ですかっ?」


愛、はちょっと私には恥ずかしいです。だから少し、いえかなり照れてしまって。レイヴンさんにも少し照れますしね…。


「何故、私のものにならなかった」
「え?」


優しく抱きしめられました。けれど私はロイドさんの恋人です。ですから…、


「私はこんなにも、お前を…、なまえを愛しているというのに…!」


どさりとベッドに押し倒され、身動きが取れなくなりました。何だかこの状況、戦闘でよく見ますよ…?あ、そうです!ウルフ系と、お魚系のモンスターにダウンさせられた時の皆さんです!


「なまえ…、」


クラトスさんの右手が私の顔の横から流れる様に私の首へと移動します。


「クラトスさん?」
「フ……」


首に回った手に力が入り、私はクラトスさんを見ました。こんなことをしているのに、クラトスさんの口元にはうっすらと笑みが浮かんでました。


「ようやく、私を見たな」
「…ぎゅ、…うぐ…」
「何故、なまえは私を選ばなかったのだ。私の方がロイドより…!」


一瞬辛そうな顔をして、またクラトスさんは笑顔で私の首を絞め始めました。また私は息が出来なくなって、とっさに叫びました。


「く…っふぅ…!ロイド…、さん……!」
「ロイド?」


一瞬クラトスさんの手の力が緩みました。けれどそれは本当に一瞬の事。さっきより力を込めて絞められ、もう声すら出せなくなりました。


「………っ!」
「私を選んではくれまいか。ずっとそう感じていた。だが私には、それをお前に言う資格はなかった。だが……なまえ、お前がロイドを選んだ瞬間、初めて後悔が私を襲った。幸せそうにするなまえとロイドを見、この…私にはよくわからぬ炎が私を包んだのだ。何故ロイドを選んだ?あいつはまだ未熟だ…。私がなまえ、お前を幸せにしてやりたかったのだが…もう私はなまえを幸せにはできまい。だから私をその瞳に入れてはくれまいか…?」


決して緩まない力。もうダメです。目の前が霞んできました…。クラトスさんの瞳には光はないものの、うっすらと涙が光っていました。ですが相変わらず笑顔でした。私はどうすればよかったんですか…?



「…終わったか」


多分、死んではいない。酸欠で気を失っただけだろう。だが…、なまえを、傷つけてしまったな。今更になって何故自分がこんなことをしたのかよくわからない。だがひとつ言えることは私はなまえを愛していて、その愛し方はアンナに対する愛し方とは似て非なるカタチだという事だ。
まだロイドは帰ってこない。とにかくなまえとの関係を修復し、また私をなまえを愛している仲間、という位置付けにしなくては。
願わくばロイドと同じ位置でロイドと同じ様に愛せることを。
ロイドとなまえを分け合う、というのも悪くないかもしれぬな。





―――

よくわからない終わりになった




11.09.29



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