病み部屋 | ナノ


「KKさん…、もう誰も一緒にいてくれません…」
「…俺が、殺し屋だからだろ?ゴメンな…」


別れようか、と男―Mr.KKは寂しげに笑う。女、なまえはそんなMr.KKを見放せなかった。自分を見ている様で…。だからなまえは首を横に振った。


「いいのか?俺といるとこのまま、ひとりになっちまうぞ?」
「だってそんなKKさんと一緒にいたい、って思ったのは私ですから…」


なまえはKKにしがみつく様に抱きついた。


「KKさんだってひとりでしょう?私たちふたりで…ふたりぼっちです」
「ああ、ふたりきりだ」


そんななまえをKKは優しく抱き返した。



――ああ、ようやく俺の努力が報われた。
精神力の強くないなまえは段々、段々と周りの人間を引き剥がしていけばいずれ俺の手に堕ちる、当たっていたな。
勿論大半は俺の銃を威嚇射撃して遠ざけたり俺の裏の顔のたった一部を見せて脅したら簡単に逃げていった。
それでも遠ざかっていかなかった奴(大半が男。気に食わねえ…)は強行手段を使った。怪我さしたり、俺となまえが一緒にいる所を見てなまえを俺から引き剥がそうとした奴をなまえを守るという名目で殴って追っ払ったり。これで皆近づこうなどとはしなくなった。



KKは口元を歪ませてなまえを強く抱きしめていた。


「なあなまえ?俺が隣にいてやるよ。お前が俺といてくれるって言うなら…」
「はい。KKさんは、いなくなっちゃ嫌ですよ…?」
「わかってる。当たり前だろ」





―――

ずっと傍にいよう




11.12.20



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