ボルテ | ナノ


最近の日は、本当に眠気を誘ってくる。
教室内、差し込む光と共にのんびりと帰り支度をしていた結果がこれだ。机に突っ伏し、意識を行ったり来たりさせている。
周りから音は聞こえず、みんな私を置いて帰ってしまった様だ。おかげでゆっくり眠れた…、という訳でもないみたいで、また静けさが意識を深く沈めていく。



――誰かの声が聞こえる。
うっすらと、かろうじてあると認識できる程度の意識で確認できたのは、それだけだった。
――なまえって、私のことか。
夢か現実かもよくわからないまま、自分が呼ばれていることに気づく。でも、あんまりにも意識が曖昧だから、誰に呼ばれているかまでは判別できない。
――傍に、気配がする。なんだかちょっと、あたたかい。
安心して、とろりとした感覚が私を包む。かろうじて、の状態だった意識が再び沈もうとしていた、その時。

唇に、柔らかい感触。


「…へっ?」


ゆっくりと目を開き、ぼやけた視界のまま、頭を上げて一言。
思考もまだきちんと働いてくれず、あまりうまく状況が飲み込めない。
ようやく輪郭がしっかりしてきた視界の中、映り込むのは夕日の色と、それに照らされた雷刀くん。


「よお、なまえ。よく寝てたな」


ニカッといつもと変わりない、屈託のない笑顔。
目を白黒とさせる私には、状況なんてこれっぽっちも理解できていなくて。
――あれはただの夢なんだろうか、それとも…?
目の前を見ても、夕焼けと同じ色の瞳と目がかち合うだけだった。





―――

この前見た、寝て見る方の夢を書き起こしてみました




15.11.06


戻る

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -