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突然私の家にオニイチャンこと雷刀くんがやってきて、家に上げたら私を抱きしめたっきりそのまま何も言わない動かないになってしまった。どうしたんだろうと思うけど、何も言えず。


「……っうあー! やっとなまえ充電できた!」


ぎゅうう、と最後に力を込めてからちょっぴり名残惜しそうにオニイチャンは離れていく。
充電、と言ったけど、この場合は私が足りなかったってこと? わざわざ私の家に来て玄関でずっと拘束したのは、一刻を争う状態だったから?


「…えっと、充電って?」
「…っはー、ここ最近宿題ばっかで全然なまえと話せねぇ触れねぇだったじゃん! すっげー足りなくなったから、充電しにきた!」
「そ、そっか」


やっぱり充電ってそういうことだったんだ…。
照れるような嬉しいような、なんだか不思議な気持ちが私の心をくすぐる。全く照れた様子のないオニイチャンは、「なまえの部屋に行きたい」とかなんでもないような笑顔で言ってのけてくれる。


「じゃあ、私の部屋で私もオニイチャンのこと充電させてもらっちゃおうかな」


小さな返事と一緒に頷く様子から、今度は照れが見えた。





―――

オニイチャンと充電ネタ




18.01.24


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