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※リーンハルトが仲間



彼は私を薄汚い人間、と言った。彼にとって、人間とは薄汚い生物らしい。


「…なのに、どうして私を守って…?」


襲いかかるネフィリアから私を庇う様に戦う彼、リーンハルトさんは本来人間が嫌いなはず。だというのに、私という人間を庇う理由がわからないのだ。


「僕はアルケーだ。助けてもらった恩を忘れるほど、愚かではない」


彼の言う“恩”とは、私が大聖堂で彼を庇ったことを言っているんだろう。仲間を裏切ることに近かったあの行為に彼が何を思ったのかはわからないが、少なくとも私に恩義を感じてくれているらしい。
でも、それだけであれだけ人間を毛嫌いしていた彼が私を助けてくれるものなのか。


「…僕が守っているのに、何で怪我をするのかなぁ、なまえ? 仕方がない、キュアー」
「あ、自分でできるのに…」
「それなら、僕のこの傷でも治してくれ」


彼が見せてきた傷は、私がさっき治してもらった傷よりも遥かに深い。どうしてそっちを優先しなかったのか…。
あわあわしながら彼の傷にキュアーをかけると、彼は満足そうな顔をして、またネフィリアを攻撃しに行ってしまった。


「ぐっ…!」
「リーンハルトさん!」
「回復するね!」
「貴様の回復などいらない!」
「ええっ!?」


クリティカルを受けたらしい彼は回復すると言ってくれたエルルちゃんを振り切って私の所に戻ってきた。思わず声を上げてしまった私にその紅い瞳を吊り上げながら、彼は傷を指差す。


「なまえ、治してくれるかい?」
「あ、はい! キュアー!」


有無を言わせない迫力の彼に言われキュアーをかければ、また傷を負って戻ってくる…。やっぱりアルケーと人間では、考えも違うのだろう。
よくわからないや、と首を傾げる私の隣にオルモルディさんがやってくる。


「よっぽどリーンハルトに気に入られちゃったのね、なまえったら」
「そう…なんですか?」
「きっと私なんて、怪我しても回復してくれないわよ?」
「そんなまさか…」


味方のことも気にかけて回復していた彼が、まさか…。そう思う私の期待をものの見事に裏切り、彼は同じくダメージを負っているオルモルディさんを放って私を回復してくれた。
どうやら私はアルケーの彼女の言う通り、リーンハルトさんという美しきアルケーに気に入られているらしい。





―――

リンハルさん難しい!




14.04.22


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