サソリの旦那は死んだ。 いや、正確には殺されたんだ。 木ノ葉のヤツらに。 なんで…… なんでだよ…… いつかは死ぬ。 そんな事ぐらい最初から分かってたはずじゃないか。 なのに、なんで…… なんで、こんなに悲しいんだよ…!! なんで、こんなに胸が苦しいんだよ…っ!! ただメンバーが一人減った。 それだけのはずだろ? それともオイラは、サソリの旦那に暁のメンバーである事以上の感情を抱いてたってのか? 確かに同じ芸術家としては尊敬してた。 でもそれ以上は… それ、以上は……… そう考えているうちに、オイラの頭に一つの考えが過った。 「…………嘘、だろ?」 今、やっと、今更。 自分の気持ちに気づいたかもしれない。 その瞬間、呆れて笑いが止まらなくなった。 なんで今更気づいたんだろう。 「………はは…っ…」 こんな気持ちなら気づかない方がよかった。 オイラは、サソリの旦那の事が、 好きだったんだ──── 後悔してももう遅い。 彼はもういないんだから。 「馬鹿だなぁ……本当にオイラ、馬鹿だよ……」 静かな部屋に、大粒の涙。 それは間違いなく自分のもので。 「……サソリの…旦那ぁ…っ…!!」 end. あとがき ← |