「らいぞうおにいちゃん」


まだ舌足らずに話しかけてくるこの子がかわいくて。


「ん?なんだいなまえちゃん」
「あのねおにいちゃん」


屈んで目線を合わせれば、その可愛い笑顔をもっと笑顔にして。


「わたしね、大きくなったらおにいちゃんのおよめさんになるの!」


大きく放たれたその言葉に僕の思考はフリーズする。
僕が反応しないもんだから君は何度も何度もその言葉を連呼し始める。
自分より年下の子に言われてなんだけど、さすがに恥ずかしくなってきて。
僕は静かにその笑顔に答えるんだ。




大きくなったらね、約束
(あの時は可愛かったなあ…)
(は?何言ってんの雷蔵先輩)


即席ってひどい
夢主ちゃん→6歳
雷蔵→8歳

後に三年と五年

110323