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「しょげんなよ、俺に見せたかったんだろ?ならこっち来いよ」
「え?」

直井がまだ朱が差した顔でこっちを振り返る。

「触らせろって言ってんだよ」
「…………はい」

帽子の鍔を掴もうとして直井の手が動くがこいつの頭には帽子が乗っていない。
直井が左右を見て帽子を探す。

「校長室に忘れて来たろ?後でとってきてやるから、ほら」

トントンと自分の胸を叩いてここに来いと指示をすれば、恥ずかしそうに目を逸らしながら俺に寄ってくる。

「し……失礼します」

ゆっくりと直井の手が俺の肩を跨ぐように置かれて、両手の間に俺は閉じ込められる。
簡単に壊せそうな小さな檻の出来上がりだ。

腕を曲げて身体を寄せて、俺が猫耳の方を触りやすそうな位置に持ってきてくれたけれど、この態勢だと表情(かお)が見えないんだよな。
それは困るので肩を押して少しだけ空間を作った。

「俯いたりするなよ、こっち見てろ」
「わ、わかりました……頑張ります」

頑張ってする事なのか?
まぁいい。俺の為に作ったと言うそれを堪能させて頂こう。
俺の身体の外にある両足から片方を掴んで、跨らせる。

「っ……」

柔らかな頬を撫で、髪の中に手を入れた。
直井が奥歯を噛み締め、いつ猫耳に触られるのかと震える。
それにしても性感帯が剥き出しになっているというのは可愛いけれど不便な物だな。

「んあっ、ふあっ」

指先で猫耳の内側をつうっと撫で上げると甘ったるい声が出た。
この声を日向が出させたのか……。

「直井……」

思わず目を閉じてしまった直井に呼びかければ、薄く目が開かれる。
さっき散々泣いたから目尻が赤く腫れていて、それがさらに扇情的に感じられた。

身体よりは低いものの、猫耳にもちゃんと体温があって本当に直井に着いている物だとわかる。
猫耳の先からピッと出ている毛が、猫耳がピクピクと動かされるたびに踊って見える。
直井自体の髪の触感ももちろん好きだけれど、ちゃんと猫耳には真っ黒な猫の毛が生えていてとても柔らかい。
猫の種類なんてメジャー所しか知らないけれど、烏の濡れ羽色の艶やかなそれに触れていると血統書付きの猫なんじゃないかと思える。
長毛とは言えないけれど、短毛と言うには長めのそれは触り心地を堪能するには十分な長さだった。

「あっ、ぁんっ、ふあっ、ふぅう」

何時間でも触っていられるが、直井の方は耐えられないだろう。
瞳に涙を湛え開いた唇からはひっきりなしに喘ぎ声が上げられる。
時々大きく開けられれば、真っ白な牙がチラチラと覗く。
艶のある声を聞いていて気付いたのだが、どうやら外側よりも内側のほうが感じるようだ。

「ひっ、ぁああっ、あっ」

内側を撫でると俺の指を離さないようにパタンと閉じられ、しかもその手に擦りつけるように頭が傾く。

「ひんっ、ぁあーぁぁあっ」

ぽろりと零れた涙が俺の服の胸ポケット辺りに落ちて濡らす。

「俺の事考えながらって具体的に何考えてたんだよ?」
「うっ、んぅうっ、音無さんにっあっ、あっ」

毛を逆立てるようになぞって直井の反応を伺う。
切なそうに眉を寄せながらも俺を見つめて一生懸命喋ろうとしている。

「触ってっ、はぁあっ、欲しいなって、それでっ、あっ」
「うん」

猫耳を弄びながら開いてる手で俺の上で四つん這いになっている直井の脇腹をなぞる。

「気に入ってっ、頂けたらって、あうっ、ん、思いながらっ、作りましたっ、はっぁあっ、あんっ」
「それでなんで猫なんだよ……」

そういう物に夢中になる傾向はないし、勘違いされるような覚えもない。

「あの女が、本物だったらって、うっ」
「あの女……?ゆりか?」
「はい、あうっ、あっあっ」

そういえばネコミミカチューシャをつけて来たときにゆりが言っていたな。
「本物ならまだしもそれじゃあねぇ、尻尾もないし音無くんはなびいてくれないんじゃない?可愛くない事はないけど」
とかなんとか言っていた気がするが、俺は催眠術をかけられた日向を介抱する方に気を取られていたから相手にしていなかった。
まさかそれを直井が真に受けていたとは思いもしなかったな……。

「はあっあんっ!ふぅっんっ」

口の端からつうと唾液が垂れて顎を伝う。
直井はそれを自分で舐めとろうと舌が覗くが、声を上げるのに必死でただ誘うように差し出されるだけだった。

白く透明感のある牙と赤い舌のコントラストが綺麗で、人差指と中指で猫耳を挟んで弄りながらその手で頭を引き寄せてキスをする。
ピリッとした感覚が下唇に感じられて口内に血の味が広がる。
見てる分には可愛い牙だがキスする時には邪魔だな。

「んうっ、んっ…ん」

舌で滲み出る血液を拭って直井の舌に擦り付けてやる。
背中でシーツが引っ張られる感触があって、直井が拳を握りしめているのがわかった。

鼻から息を抜くと血液の匂いが感じられて興奮が増す。
牙に傷つけられないように気をつけながら直井の口腔内中に塗りたくっていたけれど、もう血が止まってしまい仕方なく口を離した。

直井の口元を濡らす唾液はほんのりと赤く色づいていた。

「おとなしさん……」

熱い吐息が首にかかったと思ったら喉から顎までを舐め上げられてた。
舌に赤い血液が乗っかているのが見えて、血が垂れていたのかとわかる。
コクンと喉を鳴らしてそれを飲み込んだ。

「ごめんなさっひぁあっ」

謝るなとさっきから言っているのにまたコレだ。
ネコミミをぎゅっと握りこんで、言えなくさせた。

「ひっ、くあっ、はぁあ、そんなっ、んっ」

腕はなんとか突っ張っているが、ずりっと膝がずれて俺の身体に体重がかかる。
そんな些細な下半身への刺激にも感じてしまうようだ。

「はっ、あっ、ぁああ、ふうっ」

無意識だろうが直井が腰をくねらせ俺の太腿にぐっと押し付けて来ると、服越しにもそこが張り詰めている事がわかった。

「直井、こっちはどうだ?」
「え…?あ、待って、ひあっ、ぁあああっ!」

腰を撫でて尻尾の根元をきゅっと握ると身体を反らせ悲鳴のような声を上げる直井の閉ざされた瞳から涙が散って、俺の頬に落ちた。
まさかこれだけでイってしまうとは思っていなかったので少し驚いた。
どんだけ敏感なんだよ。

「おい……大丈夫か?」
「はい……」

そう言って微笑んだ顔は淫蕩にとろけ綺麗で、俺をいましめるたがを外すには十分な効果を持っていた。

「音無さんも……気持ち良くなって下さい……」

ふぅふぅと息をつきながら直井が俺の制服のボタンを外しにかかり、身を捩らせる。
服の中でイったから下着が肌に張り付いて気持ち悪いのだろうと思い、俺の上で四つん這いになっている身体の腹部に手を伸ばしベルトを外す。

多少荒っぽい動作であったかもしれないが、そんな事を気にも止めずにボタンやら全て外して直井の服を乱していった。

「あっ」

下着とスラックスをまとめてずらすが、直井が俺に跨っているため太腿の中途半端な所までしか下げられないがまぁ仕方ない。
ついさっきイったばかりだというのに、そこにあるペニスはもう頭をもたげていた。
あまり強く刺激をするときっと直井は手を止めてしまうだうから太腿に伝った精液を拭うように撫で上げると、太腿の薄い肌の下にある筋肉に力がこもるのがわかった。

直井が俺のを下着の上から触り、脱がしてもいいものかと視線をチラリとこちらにむけた。
今更な気もするがな。

「なんだよ、早くしろよ」
「はっ、はい」

照れくさそうに笑って下着を少しだけずり下ろした。
さっきはあんだけあんあん言っていたのにこれで恥ずかしいのか、わからん奴だな。
ぶるんと勢い良く飛び出したソレが外気に晒され少しだけ肌寒く感じた。
「わ…………」

直井がまるで子供のような目付きで勃起したそこを凝視する。
お前だってついてんだろ。
黙っていればいつまで経ってもそうしていそうなので、直井のほっそい腰を抱いてぐいと引き寄せた。

「あっ、んうっ」
「脱げよ」

俺の上に倒れて呻く直井の足の間に足を突っ込んでズボンと下着をぐいぐいと下げた。

「はぃ……」

もたもたとしているのは、俺が腰を押さえつけれているから動きにくいからだとは分かるが別に離してやる気はない。
下を脱ぎ捨て、身体を起こそうとするがさせてやるもんか。
俺は足を擦り合わせて自分の靴下を脱ぐと、ペニスに膝が当たるんだろう、直井が可愛らしい声を上げた。

「おっ、音無さぁんっ」



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