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お台所
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貴方と歩く散歩道。 ゆっくり歩を進める彼の影を踏まないように、背中を見つめ後ろを歩く。 わたしの大好きな時間。 二人を包む空気が周りの景色と混ざりあってほんのりと嬉しい。 でも、手を伸ばしても丁度届かない距離にいる貴方は、まるで二人の距離感を表しているようで少し寂しい……。 縮まりそうで縮まらない 離れてしまいそうで離れない 両手を伸ばし、少し大きく踏み込めば、きっと届くと思うのに、勇気のないわたしはそのままの距離を保つ。 その時、小さな突風が吹いた―― 「きゃっ…」 小さな声を上げ思わず身をすくめて、目をつぶりやり過ごす。 そっと目を開けば目の前には貴方。 急に近づいた距離に心臓がどきりと跳ねる。 「桂さん……」 「………」 すっと指先がわたしに近づき耳の上の髪を霞める。 微かに触れる指先から、忙しなく鳴り響く鼓動が伝わらないか更に心臓が駆け足になる。 「もみじが髪に……」 くすりと微笑み目の前に差し出される紅く小さな五本に別れた葉。 彼はそっと懐紙を取り出すと、その小さな葉を挟み大事そうに懐に戻す。 そんな優しい仕草を見るだけで、胸の高まりが全身にこだまする。 「こちらへ おいで」 そのまま、手を取られ今度は体温を交換しながら直ぐ斜め後ろを歩く。 (この心臓は貴方のためだけに鼓動している) 繋がれた手も 貴方を見つめる顔も 貴方に向かって進める足も 脈打つ鼓動も……。 全ては貴方のためだけに ――――――― 遅くなりましたが、桂剥き隊発足記念として いちこ
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