7−1



「入るぞ赤司、なぁ、テツの奴どこいったか知らねーか?」
朝から姿を見ていない相棒を探し求めていた青峰は、そう声をかけながら赤司の私室へ足を踏み入れた。
「……赤司?」
天気の良い昼間だというのに窓は閉め切られ、更にはカーテンまでが引かれた室内。
それを不審に思い、青峰は薄暗闇に目を凝らす。
「………え?」
やがて、暗さに慣れた目がとらえたのは、闇にぼんやりと映える白い肌――ベッドの上であられもない媚態をさらしている、黒子の姿だった。
「……テ…ツ…?」
「…いや…ぁ…っ、お願いです、見ないであおみ…うぁ…っ!」
声を震わせる青峰に向けられた黒子の懇願は途中で甲高い悲鳴へと変わり、最後まで紡がれることはなかった。
「…いけない子だテツヤ…ベッドの中で他の男の名を呼ぶのはルール違反だよ……大輝も、人の部屋に入る時はノックをしろと、いつも言ってるじゃないか」
「…赤司、てめぇ…っ!」
黒子を組み敷いたまま平然とそんなことを言ってのける赤司に、青峰の頭にカッと血が上る。
「ふざけんな!なんで、こんな…っ!」
これから先、黒子と肌を合わせるのは青峰だけだと信じていた。他でもない、黒子自身もそれを望んだはずだ。
――過去は切り捨て、2人で新しい未来を築こうと、そう誓い合ったはずなのに。






これが、全ての罪のはじまり。






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