「…あ、これでいいか」
少し古いサングラス
おもちゃのだけどきっとサイズはこれで十分だろう
眩しいって言っていたその子は暗い所にいたから、朝の眩しさに慣れていない
カバンとそれを持ってその子の部屋に戻る
――コンコン
「開けるよ」
ガチャと開ければご飯とドックフードがあった
それを恐る恐る見ている一人と一匹
思わず吹き出してしまった
「大丈夫。毒とか入ってないし」
はっとして顔を上げた一人と一匹
疑うのも無理ないかと思いながら俺も座る
「あ、ご飯の前に」
その子に寄ってサングラスをかけた
「っ…な、に…?」
「目…開けてみて? それでまだ眩しい?」
ゆっくりと目を開けるその子に今度は俺が驚いた
隙間から見えるその子の目の色が…赤かったから
「…ま、ぶしくない…!」
その子も驚いて見える、と言いながらわんさんと笑っていた
良かった
そのままご飯を食べて俺は学校に向かった
+++
学校では俺は無関心で有名だった
だって、楽しくない
へらへらつるんでやらかす同年代となんて楽しくも何もない
がやがやとうるさい教室に入って席に座る
宿題も終わってるし、どこかに行く用事もない
いい迷惑と思いながら担任が来るまで寝る体制になった
家に帰ったらあの子とまたいろいろ話せるといいな
朝から結構話せたから
でも家に帰ったら大変なことになっているとはこの時点では知らなかった