7

いつかのお母さんの言葉を思い出していた


明るいと死んじゃう


眩しいのは、明るいからでしょ…?


僕はいつ死んじゃうんだろう


「っ…わんさん?」


「わう?」


すりすりと落ちた手に顔をこすってる感覚


「僕…明るいと死んじゃう、んだよね?」



そしたらわんさんとお別れ…なんだよね?


「いや…だよ…一緒がいい」


ぎゅってしたらぺろりとなめられた


ぐるぐるしてる


死にたくない、のと


早く帰りたいのとで


「…わんさん、わんさん」


しがみつくように握って、ぎゅっと目をつぶった


独りじゃ、何も出来ない


「くぅーん…わん」


ぱたぱたとしっぽが僕の頭にきて


大丈夫だって言ってくれてるみたい


「うん…あり、がとう」


もう一回、眠った方がいいのかな


次起きたら帰ってきてるとか


また真っ暗な部屋で



「そうだったら…いいなぁ…」


わんさんの心臓の音が聞こえてきて


生きてるんだって


思わず僕も心臓に手を当てた


どくん、とわんさんより強い感覚に、まだ死なないんだってわかって


「まだ…大丈夫みたい。よかった」


それを最後にいつの間にか眠ってしまっていた


これからどうなるんだろう


近いうちにきっと死んじゃって


それからはわからないけど


きっと、独りなんだろうなって




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