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薬を飲んでいても、普段の生真面目な性格は変わらないらしい。
「土方さぁん。まだ終わらないんですかぁ?」
「…悪い、総司。これだけは今日中に終わらせなきゃならねぇんだ。もう少し待っててくれ」
昼間っから耐えられずに事に至ろうと迫ったが、土方さんは僕に優しく口づけて先に仕事を済ませたいと言った。
上手くいけば一日中やり通せると思っていた僕はもちろん不満だったが、早く終わらせて気兼ねなく傍にいたい、だなんて言われたらそれ以上ねだれず我慢するしかない。
そうしてもう夕刻。
そろそろ我慢も限界に達した頃、土方さんが筆を置いた。
「総司…やっと終わったぞ」
「うん!」
振り向いた身体が僕を包み、僕もその背にしがみつく。
そしてやっと、僕が満たされる時間が訪れた。
土方さんらしくない性急な動きで僕の着物を剥ぎ、露わになった首筋に噛みついてくる。
その行為だけで下だけでなく胸の突起までも起ち上がり、それに気づいた土方さんは何とも愛おしそうに胸元を弄り始めた。
「はっ……あぁんっ」
舐めるだけでは飽きたらず、甘噛みしたり舌で転がしたりされ、反対側も指と爪で反応を促してくる。
感覚が無くなるほど弄られながら、放って置かれた下腹部が疼いて土方さんに擦り付けた。
「あぅ、ん……土方さん、さわってよ…」
「凄そうだな…ここ」
「ひぁっ」
取り出されたそれはもう完全に起ち上がり、先走りが溢れていた。
先をカリカリと爪を立てられ、袋を揉まれて呆気なく放ってしまう。
「あぅ…」
「早ぇな、今日は。もっと出すか…?」
「それより…入れてよ」
自ら脚を開いて秘部を晒す。
喉を鳴らす音が聞こえた気がして、嬉しくなった。
「…んっ…あぁっ…」
「随分俺の指を美味しそうに飲み込むぞ、総司」
「だぁってぇ、おいし…もん。だ、から、もっとおっきいの、食べさせて…?」
「相変わらず、誘うのが巧いな…お前は」
「んあぁぁぁ!!」
埋め込まれた肉棒は限界まで張り詰めていたらしく、急いた様子で挿入が繰り返された。
その激しい動きに身体が跳ねる。
引き離されないように上にいるその肢体に必死にしがみついた。
「んはっ、あ、あっ…も、いっく…!」
「思う存分、出していいぞ。ほらっ」
「ひあぁぁぁあっっ!!!」
一際強い押し込みに、僕は白い淀みを腹にぶちまけた。
同時に達った土方さん自身を離したくなくて締めつける。
「まだ足らないか…?」
「うん」
「俺もだ…」
「あっ…」
やはり、薬の効果は素晴らしい。
僕たちは夕餉も食さずに晩までやり通したのだった。
翌日。
「…怠ぃな…」
「僕も腰が…」
「……あー、あんまりよく覚えてないんだが、俺たちは何してたんだ?」
「何って…昨日はご飯も食べずに互いを愛し合っ「わー!!い、言うな!それ以上言わなくていい!!」
あの薬は、本当に一日のみの効力らしい。
結果、土方さんは昨日のことはうろ覚え。
しかし、いざ朝餉の為に広間に向かったら、みんなが土方さんの身を心配し出して昨日の自分の行いを知り、頭を抱えていた。
幸い、土方さんには薬の存在は知られていない為、またいつか使ってやろうと目論む。
そんな僕の傍らには、いつの間にか山南さんがいて怪しい笑みを浮かべながら僕を見た。
「その顔は、上手くいったようですね」
「はい、とっても。ありがとうございました」
僕たちはお互い声に出さずに笑い合う。
その光景を、呆れ顔の左之さんだけが見ていた。
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