以前の土方も勿論格好良くて面倒見が良くて、幼い自分と遊んでくれていた時から大好きだった。


だが今目の前にいるのは、青年から大人の男へと変わった土方。


そんな人に勉強を見て貰えて嬉しい反面、目眩がしそうな程焦っていた。



(…絶対…バレないように、しなきゃ…っ!)



土方の事は大好きだけれど、この想いを知られて幼なじみの関係を壊したく無い。

そんな葛藤と闘う総司を余所に、土方は教科書から視線を上げて総司を見た。



その紫電の瞳に自分の気持ちや感情の全てが写された気がして、反射的に総司の肩が跳ね上がる。



「……?どうした…?」


「……な、何でも…無い…です…っ。」


「……そうか…?なら、まずは理解度を見てぇから、これを解いてみろ…。」



不思議そうに眉を寄せた土方に、ブンブンと首を振って必死に訴える。


気を取り直して教科書の練習問題を指してやれば、総司はシャーペンを握り締めて解き始めた。



「……何だ、結構分かってんじゃねぇか…。だが、ここはな…。」



ふと、シャーペンの動きが止まって総司が俯くと、土方は身を少し寄せて解説しながら、ノートに数式を書き加えてやる。


その様子に、再び総司の視線が釘付けになる。



(睫毛…長いなぁ…)

(あ、香水の匂い…)



「……と、まぁこうなる訳だ…って…。…おい、聞いてんのか…?」


「…へ!?…っ、あ、はい…っ!分かりました…!」



声を掛けられて、またもやビクリと肩が跳ねて声が裏返る。


流石の土方も様子がおかしい総司を不審に思い、手にしていたシャーペンを置いた。







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