コスモ―プロローグ―
―――総司。
不意に呼ばれたような気がして、あるわけが無いのに思わず振り返ってしまった。
そんな自分を自嘲して、もう一度『現実』に向き直る。
冷たい石に刻まれた愛しい人の名前を視野に入れて、前と変わらず胸が痛くなった。
今日は、あの人が僕の傍からいなくなってちょうど一年。
この一年間、ずっと来ることが出来なかった場所。
今この石…墓石の下には、きっとこの生涯で唯一人の僕の恋人が眠っている。
『土方歳三』
その名を見つめるだけで、視界がぼやけた。
もうこの世のどこにもいないのだと改めて言われているようで、それがどうしても認められない。
やっぱりそのまま墓石を見てはいられなくて、僕はとうとう目蓋を閉じてしまった。
浮かぶのは、誰より綺麗で格好よくて優しい…土方さん。
初めて逢って恋をして、ずっと一緒にいられるんだと思い続けていた日々。
幸せだった過去を思い出して、そしてそうじゃなくなった日のこと。
あの日、僕は人生で初めて…どんなに大切にしていても守れないものがあるのだと知った。
―――
久々過ぎて色々掴めません!
リハビリみたいに、あたたかく見守ってやって下さい
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[mokuji]
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