ーー……ねぇ小十郎さん?
なんだ
…もし、俺が居なくなったらどうする?
…
何となく聞いただけだから怒んないでよ
俺はそういう話題は嫌いだ
あぁそうですか。すみませんねぇ…
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佐助が死んでから数日。
俺は仕事も手が付けられない時期を抜け出し、普通の社員のように働ける程度には回復した。政宗様はまだ休んでいろとおっしゃって下さったが、甘える訳には行かない。
大切な仕事があるのだ。それを早く終わらせねば仕事が滞ってしまう。それを俺個人の所為で遅らせるのはいけない。
そう考える事で気を紛らわせていた。
「Hei小十郎。もういいぜ。houseに帰んな」
「ですが政宗様…」
「後は俺がやる。休め。これは命令だ」
「…はい」
政宗様に促され、帰宅する準備をした。
会社から出るときに呼び止められた。
「小十郎!」
「はい?」
「これ、渡すように言われてたんだ。仕事も一段落ついたし、ゆっくり読めよ」
「はぁ…」
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午後9時に帰宅した。
仕事の所為であまり家に帰る事が出来なかった為、帰ると佐助が居ると勘違いした脳が、佐助を目で無意識に探した。
だが直ぐに佐助はいないと言い聞かせ、夕食やらなにやらの用事をとっとと片づけた。
そしてする事も無くなり、渡された手紙を読む事にした封筒には
片倉小十郎様へ
としか書いていない。
誰からなのかと少し疑問を持ちながら中を見た。
その差出人に驚愕した。
猿飛佐助
数日前にこの世を去った恋人からだった。
時間をかけて、しっかりと暗記する程に真剣に読んだ。
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