「…今までありがとうございました」
不意に赤い虎がそう呟いた
「HA?どうした?いつになくしおらしいなぁ」
青い竜は軽く笑って返す
「今日で終わりにしましょう…」
「last partyにするか?望む所だ!!」
六爪を構え
「YA-HA-!!!!」
勢いよく切りかかった
いつものように防ぐと思っていた
防いだ後はその赤い二槍で突いてくると思っていた
だがどちらもなかった
赤い虎の体液が青い竜にかかる
「さようなら…」
それだけ言うと動かなくなった
いつも頭から離れなかった赤い虎
その体が欲しくてたまらなかった
自分以外に殺される位なら、自分が先に殺してやる
そしたら、お前は俺の物だ
ずっと…
それで満足する筈だった
だが
涙が溢れた
嗚咽が漏れた
ただどうしようもなく…
心に穴がぽっかりと
空いた
END
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遺された蒼い竜