「政宗様!!」

「HA?何だ」

「文が…」

差し出された文を読む

「…ぁ…」

声が上手くでなかった

認めたくない
認めてたまるか畜生!

真田が…

幸村が…



戦死しただなんて…



「…誰だ…」

「はい?」

「幸村を殺ったのは誰だ…!!」

沸々と怒りがこみ上げる


俺の幸村をよくも!!

幸村を殺っていいのは俺だけなんだよ!

幸村を殺ったのは織田信長


その事を知ってすぐに出陣した


勝敗なんざ関係ねぇ

俺は幸村の敵を…!!


そんな事を考えていると

「政宗様」

「HA!?」

パシン

「…」

「あなたは一国の主なのです…私情にとらわれ、配下の事を疎かにしてはなりませぬ」

そういえば俺…主だった…
すっかり忘れてた…

だが


「っ…幸村は俺のっ!!!」

「まだ分からないのですか政宗様!」

今まで見たことがないような複雑な顔をしていた

「真田は政宗様にとってとても大切な人間なのは存じています、ですが!その1人の為に大勢の民を犠牲にするなど、真田も望んではおりますまい…」


キリッと顔を引き締め

「政宗様、生きてください…真田もそう望んでいる筈です…」

「…そう…か…」


真田はそう望んでいるのか…

目が覚めたような気がした


「すまん…流石俺の右目だ、Thanks」

「ありがたきお言葉…して、政宗様、どう致しますか」

「このまま行く」

「はい?」

「織田もかなり消耗してんだろ、今が叩き時だ」

「…は、では出陣致しましょう」


伊達軍は織田軍と衝突



そして見事勝利した




幸村…俺は生きる…お前の分まで長生きしてやるよ!



戻る

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -