ーー……ねぇ小十郎さん?

なんだ

…もし、俺が居なくなったらどうする?



何となく聞いただけだから怒んないでよ

俺はそういう話題は嫌いだ

あぁそうですか。すみませんねぇ…


*****************************



佐助が死んでから数日。
俺は仕事も手が付けられない時期を抜け出し、普通の社員のように働ける程度には回復した。政宗様はまだ休んでいろとおっしゃって下さったが、甘える訳には行かない。
大切な仕事があるのだ。それを早く終わらせねば仕事が滞ってしまう。それを俺個人の所為で遅らせるのはいけない。
そう考える事で気を紛らわせていた。


「Hei小十郎。もういいぜ。houseに帰んな」

「ですが政宗様…」

「後は俺がやる。休め。これは命令だ」

「…はい」


政宗様に促され、帰宅する準備をした。
会社から出るときに呼び止められた。

「小十郎!」

「はい?」

「これ、渡すように言われてたんだ。仕事も一段落ついたし、ゆっくり読めよ」

「はぁ…」



*******************************

午後9時に帰宅した。
仕事の所為であまり家に帰る事が出来なかった為、帰ると佐助が居ると勘違いした脳が、佐助を目で無意識に探した。
だが直ぐに佐助はいないと言い聞かせ、夕食やらなにやらの用事をとっとと片づけた。


そしてする事も無くなり、渡された手紙を読む事にした封筒には

片倉小十郎様へ

としか書いていない。
誰からなのかと少し疑問を持ちながら中を見た。
その差出人に驚愕した。

猿飛佐助

数日前にこの世を去った恋人からだった。
時間をかけて、しっかりと暗記する程に真剣に読んだ。



戻る

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -