「……ッ?!!」

驚いた小十郎が慌てて身を引こうとしたが、それよりも早く佐助の方が離れた。
どうやら、合わせるだけで満足してくれたらしい。
そうして離れた後、目を丸くして固まっている小十郎に向かってヘラリと笑うと、こう言った。

「えへへー…こじゅろしゃんのちゅう、だいしゅきー!」

満足そうに笑ってそう言うと、小十郎の胸元へと再び佐助が擦り寄って来た。
その可愛さに、小十郎の頭の中で何かがブチッと音を立てたのも、小十郎の前髪がハラリと落ちたのも、仕方が無いだろう。

「……政宗様」
「Ah,It understands even if it doesn't say...Good night,Kojyuro.」
「は。お先に失礼致します」

そう言うが早いか、小十郎はそのまま佐助を抱き上げると、自室へと消えて行った。





「――う、嘘だろぉぉおぉ!!!!!??」
次の日の朝、身体中に散った紅と、起き上がれない腰へと巻き付いた小十郎の腕に、佐助がそう叫んだのはまた別のお話。
そして、その声で慌てて飛んで来た幸村に全てを見られ、再び叫んだのも、また別のお話。

* End *



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酒は程々に3
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