くっついていた佐助が小十郎に合わせて膝の上へと座るのを、やはり可愛いな…などと見届けた後、再び政宗へと声を掛ける。

「政宗様、佐助には飲まさないで下さいとあれ程――、ん?」

話している最中に胸元の辺りをクイクイと引かれるのを感じ、小十郎が目線を下げれば、膝の上に乗っている佐助と目が合う。
酔いで赤らんだ頬が、上目遣いに見つめて来る潤んだ瞳が、小十郎の理性を壊さんばかりに色気を発している。
直ぐに目を逸らそうとしたが、どうやら胸元を引いていたのは佐助の手だったらしく、目が合った瞬間、佐助の顔がほにゃりと緩んだ。
それを見てしまっては目を逸らす事など出来ず、とりあえず声を掛ける。

「どうした?」
「こじゅしゃん、おしゃけちょーらい?」

酔いで赤らんだ頬が、上目遣いで見つめて来る潤んだ瞳が、小十郎の理性を(ry
更に可愛らしく首を傾げる、そんな好いた相手の姿を前に我慢出来る男が居るだろうか……いや、居る筈が無い。

「――佐助」
「う?」
「お酒、欲しいのか?」
「うんっ!」

くれるの?と又もや舌足らずな声の佐助に小十郎の口角が上がるが、酔っ払っている彼に気付けるハズが無く。

「なら、キスしてみろよ」


 周りには聞こえない様に耳元でそう囁く様に告げれば、予想通りキョトンとしている佐助の姿があった。
 してみろよ、とは言ったものの、佐助には無理だと分かっていた。
 何故なら、何度言っても、恥ずかしがって佐助からして来た事など一度も無いからだ。


――だから、完全に油断していた。


 次の瞬間には、小十郎の唇へと押し付けられた暖かく軟らかなそれの感触と共に、佐助の嬉しそうに細められた瞳が目の前にあった。



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酒は程々に2
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