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without

何時からでしたか、


そのガラス玉が、あたしを映せなくなったのは。



何時からでしたか、


知らない表情で、あたしを見つめるようになったのは。


もう、逃げ出せないの。
出逢ってしまったの。


今だって目を閉じれば、

聞きなれた低音と、その香水と、


それから柔な記憶。


たったそれだけで、
あたしはもう、上手に呼吸をすることも出来ないのに。



他の誰かと、夢をみている時くらい、

上手に笑えていたら、いいのに。


2013 8,13 10:44

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