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  Still in the middle of it



緑色の髪の眼鏡をかけた男の子。
初めは、イケメンで長身なのによく変なものを持ち歩いてるなぁってそんな印象だった。
彼はバスケ部らしく、高尾くんと一緒にいることが多い。
高尾くんとは中学が一緒だった為、よく話をするほうなので、緑色の彼、緑間真太郎くんとも話をする機会が周りに比べたら私は多いかも知れない。



「おはよー!神崎ちゃん!」
「おはよう、高尾くん、緑間くん」

「ほら、真ちゃんも神崎ちゃんにあいさつしなよー」
「む、お前に言われずとも挨拶ぐらいするのだよ!」
「はいはい、ツンデレなんだから」
「うるさい、黙れ。か、神崎おはようなのだよ」
おはようなのだよ?ふふ…なんか可笑しい。いつも冷静なのに高尾くんと話をしてるときの彼はペースを崩されたように困った顔をしていることが多い気がする。
そして、決まって難しくもない私の苗字をよく噛んでいるのは不思議で仕方ない。



「また噛んでやんのー!」
「う、煩い...!」


あ、また高尾くんにからかわれてる。


この流れは日課といってもいいほど毎日行われているわけで、よく飽きないなーと関心すらする勢いだ。
ま、楽しんでるんだけどね。



「緑間くん、あのさ、そんなに私の苗字言いにくいなら呼び捨てでいいよ?」
「な、何を言ってるのだよ...!」

な、何って?え、何??
どことなく緑間くんの頬が紅くなっているように見えた。



「え、だっていつも噛むじゃない?だから美祢でいいよ!名前なら二文字だし言いやすいでしょ?」
「そ、そういう問題ではないのだよ...」
緑間くんは何かごにょごにょと何か言っているし
高尾くんには
「なになに、神崎ちゃん無自覚!?マジかー神崎ちゃん天然かぁ!」
とか言われるし、訳が分からない...。



「んもうっ!緑間くんも高尾くんも訳がわからないよ!呼びたくないなら呼ばなくても結構でーす!」

ムスッとして少しだけ頬を膨らませる。

「いやいや、違うって神崎ちゃんがあまりにも大胆だったからさ!呼ばさせていただきます!美祢ちゃん!」
な、真ちゃん!と緑間くんをみる。
「ああ、か、神崎さえよければ、呼ばせてもらうのだよ...美祢...」



高尾くんはちゃん付けだけど、緑間くんは美祢って、美祢って本当に呼び捨てだ!正直ちょっとびっくり...でも、なんだか...嬉しい。

「うん、呼んで!ありがとう!」
笑顔で二人をみると、二人も笑顔(緑間くんは微笑だったけど)で更に嬉しくなった。






***




「あ、またおしるこ飲んでるの?真ちゃんよく飽きないね〜」
「んで、今日も変なぬいぐるみもってるし!」
「煩いのだよ!...美祢、高尾!」



緑色の彼は、私の名前を呼ぶときちょっぴり間が空いて、ほんのり頬を紅く染める照れ屋な一面をもつ、変わり者でツンデレな男の子。

今では和成くん含め私たち三人はすっかり仲良いお友達だ。


和成くんと呼ぶようになった日、真ちゃんの機嫌が悪かったのはまた別の話。





END




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