ソレイユとの再会
「オーストラリアから帰って来たんだ!」
「でも、どうしてここに」
「きっと、これって運命だよ!目に見えない不思議な力が今夜この時間、僕たちをこの場所に...」
凛ちゃんの腕を掴みながら渚くんはそう言った。
でも、なんだか雰囲気が全然違う。怒ってる...?
「ハル!お前まだ、こいつらとつるんでたのか!ハッ...進歩しねーな」
え...?何それ、何を言っているのか意味がわからない...
「え?」
「何言ってるんだ?凛?」
私と真琴、渚くんは混乱していた。
「そういうお前はどうなんだよ。ちょっとは進歩したのか?」
ハル...?ハルは何か知ってるの?
「調度いい。確かめてみるか?勝負しようぜ、ハル」
ハルは私の手を離して凛ちゃんの後を追った。
「僕たち置いてけぼり?」
「みたい...」
真琴と渚くんは顔を見合わせ頷いた。どうやら、2人を追うらしい。でも、私はまだすぐには走れそうにない。そんな元気は持ち合わせていなかったのだ。まずは、気持ちの整理が最優先。
「ご、ごめん...2人とも、私...今は行けそうにないから先に行ってて。プールの場所分かるし、なるべく早く追いつくから...」
「分かった!無理するなよ?」
「もし、これそうになかったらケータイに連絡してね!」
「う、うん。ありがとう」
2人の姿が見えなくなったの確認すると、地面にへたり込んだ。
あれが、凛ちゃん?仲間想いの彼がどうしてああなったのか、理由はわからない。でも、何かあったに決まっている。ずっと、会いたかったはずなのに、今はどうしていいのか分からない。なんだか、少し恐いとすら感じられる雰囲気に萎縮してしまいそうだ...というか、現にさっきそうだった。
恐い、怖い、コワイ...
嫌われてしまっていたらどうしよう...さっきは、真琴の影にいたからか、私に気づいていなかったのだろう。もし、気づいてて無視されていたのだとしたら?そんな思考ばかりが頭の中を駆け巡る。
涙が溢れ出た。ネガティブじゃいけない。ちゃんと、凛ちゃんと話さなきゃ...早くプールに行かなくちゃ、もしかしたら帰ってしまうかもしれない。急がないと。
涙をぬぐいながら、プールへと急ぐ。
お願い、まだいて...!
凛ちゃん...!
心の中で何度も呟きながら、私は走った。
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