マリーゴールドイノセンス のコピー | ナノ


▼ 秘めた想い

近所のお弁当屋さんのお兄さん。寿嶺二28歳。イケメンで面倒見が良くて、でもちょっとふざけた性格で私よりも8つ歳上。そんな彼を小さい頃から好きだった。初めは一緒に遊んでくれる大好きなお兄ちゃん、それから憧れのお兄さんになって、いつしか一人の男性として好きになっていた。ずっと、妹扱いされてきた。やっぱり、歳が離れてるからかなって思っていたのに…なのに……嶺二くんの片想いの相手は私よりも年下だったのだ。

「好きな人が出来たんだけど、その娘、僕よりも年下なんだよね…」

なんで私に言うのかな?いや、嬉しいんだけど、他の人に話すなんて想像したくないんだけど、やっぱり辛い。

「え!?何歳の娘なの?」
「17歳…。やっぱりマズイかなぁ〜?10歳以上年上とか女の子は嫌かなぁ?」
「す、好きな人なら関係ないと思う。私は、気にしないよ?」

私は嶺二くんなら何歳だって構わないもの。例え、20歳離れていたとしても私は嶺二くんのことが好きだと思うから。

「そっかぁ!でもさ〜彼女、ランランのことが好きみたいなんだよね〜ランランには恋人が居るのにランランのことしか見てなくてさぁ〜困っちゃうよ、ホントに…」

そう言った嶺二くんは何処か苦しげな表情をしていた。

「…それでも、嶺二くんもその娘のこと好き、なんだね?」
「…うん、まだ、諦め切れないかな」

男の人の表情だと思った。普段の嶺二くんからは想像が出来ないくらい真剣で真面目な顔。そうさせることが出来る彼女が羨ましい。会ったことすらない年下の女の子に嫉妬してみっともないな…

「だったら、まだ頑張らなきゃだね!嶺二くんが疲れたら私が支えてあげるから、ね?」

私、今ちゃんと笑えてる?

「ありがとう。六花ちゃんが居てくれて良かった…」

嬉しいはずなのに、苦しくて、胸がモヤモヤする。


嶺二くん…私…嶺二くんのことが、好き…

言葉にしないと届くことのない気持ち。今すぐ伝えたいのに伝えられない。今はまだ妹のままで我慢できるから、多分、大丈夫。


大丈夫。








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