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真琴の誕生日

秋なんてあっというまに過ぎて、もう11月の半ば。そう、今日は11月16日なのだ。何か忘れているような気がして、記憶を辿り、確認するためスケジュール帳を開いた。やっぱり...明日はとても大切な幼馴染の誕生日ではないか。


「ねぇ、ハル、明日って真琴の誕生日だよね?」
「ああ、11月17日は真琴の誕生日だ」
即答するハルを見て、ついさっきまで忘れていた自分に不甲斐なさを感じた。
ああ、うう、なんて唸る私に、どうした?とハルは声をかけてくるけれど、忘れてたんだよねなんて言えない。

「じゃあ、プレゼント用意しなきゃだね!ね?紀紗ちゃん!」

突然渚くんはそう言い放った。多分、私とハルの話を聞いていたのだろう。でもでも、なんで名指し?

「う、うん。そりゃあね、何かはあげるつもりだよ?...まだ決めてないけど」
「僕もプレゼント考えなきゃ!ハルちゃんもだよ!明日までに何かプレゼント用意するんだよ?絶対だからね!」
「...ああ」
「紀紗ちゃんはさ、プレゼントはわたし!とかでもいいんじゃない?」
「嫌だよ、冗談でも、真琴引くと思うし...」

そんなことないよーって渚くんは言うけれど、誰にもメリットないと思うの。私も恥ずかしいだけだし、真琴もきっと反応に困ると思う。渚くんの発想には驚かされることが多い。





2人と別れてから、考えてみたけど中々思いつかない。好きなもの、欲しいもの、なんだろう...身近過ぎて逆に思いつかないよ...。
真琴、真琴、真琴といえば?なんだろ...スルメイカ?じゃなくて、うーんうーん猫とか好きだよね。でも流石に猫は買えないし。

「紀紗?」
「あ、凛...!」
「さっきから、何ブツブツ言いながら歩いてんだ?」
「そうなの!凛、明日ね、真琴の誕生日なのだよ!だから、プレゼント何がいいかなって考えてるんだけど真琴の好きなものって意外と思いつかなくて...」
「そういや、そうか。つーか、真琴ってチョコ好きだとか言ってなかったか?」
「チョコ?」
「お、おう」
「そっか!そうだね、真琴チョコとカレー好きだったかも!!凛、ありがとう!じゃあ、私行くね!バイバイッ」
「ちょ、おい............」


凛ナイス!ありがとう、本当にありがとう!そうだよね、好きな食べ物貰うと嬉しいよね。私は嬉しいもの!チョコ買いに行こっと。お菓子とか作れたらいいんだけど、案の定私は料理とかあまり得意じゃないし、練習するにも時間が無さ過ぎるから今回は仕方ないよね?



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