ショコラオランジュ | ナノ

秋の始まり


席に着くと、隣の席にはもう愛美が座っていた。

「くるみ、おはよう!橘くんと何話してたの?」
「おはよう。えっと、お昼一緒に食べないかって誘われて」
「おおっ!で、どうするの?」
「愛美も一緒でも良い?って聞いてたら、良いよって言われたので一緒に食べることになりました、はい。愛美さまっ!一緒に来てくれるよねっ?お願いっ...!」
「えー...まぁ別にいいけど」
「ありがとっ!」

神様仏様愛美様!!本当感謝だよ。初っ端1人は堪えられないもの。

「でさ、何処で食べるの?」
「屋上だって」
「屋上かぁ、初めてかもしれないな」

なんだか新鮮だわ、とさっきの私と同じ反応の愛美に可笑しくなる。

「ふふっ」
「くるみさんや、何が可笑しいんだい?」
「だって、愛美ったら私と同じこと考えてるんだもん」
「そりゃ、だてに親友なんてやってないからね」
「愛美、だいすきすきすきっ」

話の流れで抱きつくのは愛故なんです。でも、女子ってこんなものでしょう?愛美が一緒なら大丈夫。やっぱり緊張はするけれど、心強い!それに、橘くんも七瀬くんも恐いタイプではないからね、そこまで構える必要は無さそうだよね。



お昼のことを考えつつ授業のノートをとるだけの簡単な作業、なんてね。

屋上ってことは、外は寒いのかな?水泳部の後輩くん達も本当に来るのだろうか?橘くんと七瀬くんはどんな話をしながら食べるのかな?ふふっ、想像つかないや。なんだか楽しみかも知れない。あ、オレンジジュース飲みたいな。

そんなことを考えながら、黒板とノートから視線を逸らした。

教室の窓から見える景色は黄色やオレンジに色づき始めていた。






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