今日から ニッキ というものをつける事にした
その日の事を 忘れねえうちに書けばいいそうだ
まあゴロン族は 毎日 代り映えしねえ生活だ
ちっとの違いでも書いとく事は 悪くねえだろう
という訳で 今日のニッキは… そうだな
デスマウンテン山頂のロース岩が美味かった!

山の麓で 旅のハイリア人と話をした
今ハイラルは 厄災ガノンの噂で持ち切りらしい
そういえば数年前 神獣とやらが掘り出されて
デスマウンテンに シーカー族が押しかけてたな
ハイリア人の話じゃ あれは厄災ガノンと
戦う道具で 繰り手が必要になるって事らしい
あの頃… 喰えもしねえ遺物なんぞ
ゴロン族は誰一人 見向きもしなかったもんだが
喰いもんの事 考えてたら腹減って来たな…
今日の晩飯は 上ロース岩にするか!

今日 山頂近くで昼飯用の岩を探してると
山腹で 魔物共に襲われてる人間が見えた
ひ弱そうな見た目の小僧だったから
助けてやるかと 山を下りた
ところがどうだ そいつは 凄え剣の腕前だった!
俺が着いた時 魔物は粗方 片づけられた後!
こいつは強えと感心してたその時… 不意に
背後から魔物が俺様に斬りかかってきやがった!
…まさか このダルケル様が ハイリア人の
小僧に助けられるとは 思ってもみなかったぜ
あいつの剣捌きに 見とれてたときの俺は
すげえマヌケ面をしてたんだろうな…

ハイリア人の小僧の名前は リンク
奴は 喰うのが何よりも好きだ
野菜 果物 生き物…それ喰えんのかってモンまで
リンクは 何でも料理して喰う
それならと 特上ロース岩を譲ってやった
後で訊いてみたら ちゃんと喰ったそうだ
やっぱり 人間も岩を喰えるんだな
このダルケル様と 奴の共通点は
喰うことだけじゃない… とにかく すげぇ強え
奴が言うには 集中すると
時間が止まったようになるらしい
俺は 奴を気に入った…
このダルケル様が 背中を預け
共に飯を喰らうに相応しい男だ
よし! リンクを 俺の相棒にしよう!

ハイラル王国の姫さんが ゴロンシティに来て
神獣の繰り手を頼んできたので 引き受けた
ダルケル様は 頼られたら断らねえのが身上だ
姫さんも喜んでた
神獣の繰り手は4人… ガノンとやりあう
剣士が1人… それと姫さんの6人が仲間だ
話によると種族も歳もバラバラだが…
今から そいつらと飯を喰うのが楽しみだな
まずは姫さんに 特上リブロース岩を渡したら
喜んで受け取ってくれた
なんか 笑顔がひきつってたみてえだったが…

俺は英傑になった
叙任式でリンクにも久し振りに会えたし
いい日だったな
そういや 前に聞いてた 姫さん御付の騎士は
リンクで決まりだそうだ
なんでも 試験中に古代のカラクリ兵が暴走して
ビームを撃ちまくったそうで…
それを相棒が 落ちてたナベのフタで跳ね返し
急所に命中させて 暴走を止めたんだと
その活躍が 王の目に留まっての大抜擢!
さすが 俺の相棒だ

ルーダニアの繰り手に決まったが
他の3人みたいに 上手く神獣を繰れねえ
リンクに相談をしてみたら 神獣に押し込まれ
ただひたすら 一日中 歩かされた
するとどうだ 気づけばルーダニアは
俺の思い通りに 動くじゃねえか
なるほど 習うより慣れろだ
相棒の強さは こういう努力の賜物なんだな
今日のお礼に 極上サーロイン岩を
御馳走してやろう

最近 相棒は ずっと姫さんの遺物研究のお供だ
大変そうだが 姫さんは明るくなったし
よく話すようになったみてえだから まあいいか
何でも 一度 姫さんと飯を喰ってるときに
相棒は 自分の悩みを話したそうだ
それを聞いて 「私と同じなんですね…」
と 姫さんは言ったらしいが…
きっとあの二人は 喰いモンの好き嫌いが
同じってことなんだろうな
ところで最近 分かってきたことがある…
ニッキを書くと 腹が減る!

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