※ 08の直前のお話。夢主不在。
「やっと見つけた……ダークさあ、何でこんな遠くに保管してたの」
『コレ見てお前が昔のこと思い出したら面倒だからに決まってんだろうが』
「あー……そうだったね、ごめん。でも、捨てないでおいてくれてありがとう」
『……ああ』
僕が旅で集めたアイテムがどうしても見つからなくてダークに聞いてみたら、どうやらダークが隠していたみたいだった。昔、僕が寝ている隙に身体を奪って隠したらしい。全然気付かなかった。
「とりあえず全部家まで運ぼう。どこで何が必要だったか殆ど覚えてないや」
『ダンジョンの仕掛けも全部解き直しだからな』
「それが一番面倒だよね。水の神殿もう一回やるの辛いなあ……」
『あ? アイツ等が居るのは魂の神殿だろ?』
「……あ」
しまった、口を滑らせた。動揺する僕に不信感を覚えたらしいダークは僕の心を読み始める。
「ちょっとダークやめてよ! 折角驚かせようと思ってたのに!」
『うるせえ』
読まれまいと抵抗するけど、無駄な足掻きだった。……結局、僕の計画は全部バレた。
『別にこんなの隠す必要無いじゃねえか。馬鹿だろお前』
「はあ、もう馬鹿で良いよ……ってあれ?」
心の奥が仄かに温かい。
『……なんだ』
「ダーク、もしかして嬉しい?」
『はァ!? バッカじゃねえのかお前こんなので』
「あー良かった。僕はまだ何もダークにお返しできてないから喜んでもらえて嬉しいよ」
『話を聞け!!』
「あはは、聞いてる聞いてる」
初めは僕がからかわれてばかりだったけど、今は逆に僕がダークをからかうこともある。なんだかナビィと一緒だったときみたいだ。ナビィはこんなに口が悪くなかったけど。
『……チッ、じゃあ城下町に行く前に忠告しといてやろうと思ってたこと言ってやらねえ。精々変な目で見られるんだな』
「えっ、何それ! 教えてよ」
『知らね』
結局ダークはその忠告とやらを教えてくれなかった。何だったんだろう。
***
第三者から見るとリンクがひたすら独り言を言っている変な人に見られるよ、という忠告でした。
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