「お付き合いって、何をすればいいのでしょう……」

 顔を真っ赤にしながら言うナズナ。その姿が可愛くて、すぐに押し倒してしまいたくなるけどぐっと我慢して平静を保つ。

「そうだな……一般的には手を繋いだり、キスしたり、かな? 今の時点は」
「きっ、キキキス……」

 恥ずかしいのか、赤い顔のまま俯く。僕がそっと抱き締めると「ひゃっ!?」なんて可愛い声を出して身体を強張らせた。

 今までのことを考えると、きっとナズナはそういう知識に乏しいのだろう。キスは知っていたみたいだけど多分そこから先のことは知らない気がする。がっついて怖がらせたくはないし、僕がゆっくり教えていけばいいや。

「……寝るときは、」
「ん?」
「っ、恋人同士は一緒に寝ると本に書いてあった気がするのですが、本当ですか? 私、誰かと添い寝なんてしたことないので……してみたいです」
「!?」

 キラキラと期待した目で見つめられる。ナズナはきっと親が子供に添い寝する、そんな風にしか「寝る」ということを捉えていない。決して深い意味がある訳では……ない。

「……い、いいよ」
「ありがとうございます! ふふっ、リンクの匂いは落ち着くので良く眠れそうですね」
「――っ!!」

……前言撤回、僕は耐えきれないかもしれない。

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テーマ「人外ファンタジー」
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