※「
あまくてあまい」のおまけです。
そんなこんなでリンクと一緒にケーキを作ることになった。
「まずはメレンゲを作るね」
「め……めれんげ?」
「タマゴの卵白だけを混ぜてふわふわにしたやつだよ」
「なるほど」
リンクは説明しながら手際よくタマゴを卵黄と卵白に分け、卵白を泡立て器で混ぜ始めた。カシャカシャとリズミカルな音を立てながら凄い速さで腕を動かす姿を隣でじっくり観察する。
途中、砂糖は何回かに分けて入れないと上手く泡立たなくなってしまうと教えてもらったけど……なんて繊細な料理なんだ。やっぱり一人で作るのは無謀だったのかも。
「タマゴってこんなふうになっちゃうんだ……」
しばらくしたら透明でぷるぷるだった卵白が白く泡立ってもこもこになって、これがコッコのタマゴだったとは想像もつかない姿になってしまった。
確かレシピ通りならここからツノが出てくるって話だけど本当かなあ? こんなふわふわなのに。
「リンク、ツノはいつ出てくるの?」
「もう少しかな。まだ少し緩いから、これが崩れなくなったら完成」
「へ?」
リンクが「ほら」と泡立て器を持ち上げ、立ち上がったメレンゲの先を指差してそう説明する。先端がへにゃりと曲がったメレンゲはリンク曰くまだ未完成のようで、これの形が崩れなければ完成……ああ、ツノってそういう……
「ナズナ?」
「な、何でもない……」
真っ赤になる顔を両手で覆う。マモノケーキの印象が強すぎるが故の謎の先入観。私はどうやらとても恥ずかしい勘違いをしていたようでした。