( 夏空ノ色 )


ひとつひとつ数える。色んな色を掻き集め。飛行機雲が容赦なく切り裂くのは君の横顔。
掻き回しても同化しない水を飲んで、歩き出す。太陽と月がくるくる廻る。繰り返し繰り返す。
見える海を眺め、揺らぐ竹林の中を逝き駆ける。猫が屋根に登ってはカミサマ気取り。
屋敷まで帰ってこれば、見慣れた色。久々に帰ってくると約束した彼女を待って。そそくさと着替えてまた駆り出すのは祭りの夜。
止んだ時雨が足下翳る。引きずった「あなた」を背負って例年のように宴を待った。