鬼灯社
2011/07/20(Wed) 13:22
足下鳴る下駄。お構いナシに笑う声。放物線描きては自堕落散々兎は飛び跳ね。水面の月を蹴り上げ茹だる風の音。
「何もかわりゃんせお嬢サン。」
横切る戯言踏み潰し。嗚呼凛々と。
靡く髪掻き分け願いたもうはあの社。鈴の音竜胆通り過ぎ。息殺しの夢殺し。
「どきなされ稲荷の娘」
そんな声上げ巫女セイセイ。はらむ袖口川の水。紅色衣をはらいては。
蛍呟く夜の下。君待つ海神うたいては。
「君がため行きとうこの我(わたし)」
鳥居飛び越え掛ける足。耳立て嘆く狐っ娘。森はおいおい泣き出した。
鈴投げ追いかけ神を迎え。いきては願う御子のうた。
髪揺れ波と流星群。因幡娘は母探し。
貴方彼方と嘆く空。鬼灯の祠めを覚まし。
「故我をもを行かせたし」
足踏み影刺し怒りの巫女は狐の尻尾に手を伸ばす。
(鬼灯祭)