呑み込む。絶えず、繰り返し咽を通す。
色は、目に見えない。でもきっと毒々しい色をしているんだろう。冷めた感情が口を開いた。
「緑、」
呼ぶ声。指先に触れては淡く消えた。
振り返りその口元に目をやる。いつものひと。変わら無い、日々のこと。
あなたは溜め息をひとつついて頭を掻いた。入道雲みたいな白が眩しくて、目眩がする。
「懲りないな、お前も……。探すこっちの身にもなれよな。」
しかも、廃ビルの屋上だなんて。呆れて手を伸ばすひとり。空の緋色は黄昏て。鴉が哭いているから帰ろう。何処かで聞いた話。
「――今日はまだ、帰らない」
思わずのことに、目が点になる誰か。
その姿が余りにも滑稽で、笑いだしそうになる。暑さで、とろとろに溶けたアイスクリームみたいな脳ミソがうたう。触れようと伸ばした手は空中ブランコ離れてく。止めた。だってきっと戻れなくなるんでしょう。先のことに目を伏せた。大丈夫。元々未来なんて持ち合わせていないのです。
変われぬ日々をうたう。どうか変わらぬようにと腕を伸ばした。
「何でまた?」
とぼけたように首傾げるは愛しき誰か。陽炎はゆらめくだけでいいのです。そうじゃないと、壊れそう。
「流星群、見てみたいんだ」
(君のとなりで)
▼
明日(今日)は双子座流星群ですねー*