1day1sss | ナノ



糸辿師

2011/10/25(Tue) 23:05






私には未来が観測できるのです。――いえ、"運命を辿ることができる"と言った方がいいでしょうか。む、なんですかその顔は……さては、信じてないんですね。
こほん、ならば今から証明してみせましょう。では、お手を拝借。………あぁ、ええ、はい。オーケーです。完了致しました完璧です。
ズバリ、明日貴方は転びます。街中で、たまたま横切った猫を避ける為足を絡ませ思わずどてんといってしまわれます。なので、明日は足下によくご注意なさってくださいね。でないと貴方は運命のまま、転んでしまいますよ。


「なあ、緑」
「何」
「運命ってなんだろうな」
「………まさか、あんなインチキ占い師もどきの話を間に受けると…?」
「いや、別にそこまでじゃないけどさ……。ほら、やっぱ気になるじゃん」
「林のくせに」
「え、なにその肯定」
「……そうだな。そのまま転んで大量出血でもしておけばいい。――少しは脳内が改良されるんじゃないか」
「それどう考えても死亡確実だよね」
「……頑丈だから早々にあの世逝きにはならない。安心しておけばいいさ」
「相変わらず緑は酷いな……っておっ」
「あ、」
「………………」
「………………」
「見事に、転びましたネ緑サン」
「……猫というより、"無駄に大きい猫のマネキン"だけど」


(実証結果と印でもしておこうか)






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