『おはようございます!今日も占い始まるよー!』


秀徳寮生は毎朝おは朝を見る。

見る、というか見させられる。が正解だろう。

この習慣も今年から、だが。

それは宮地の目の前で味噌汁を悠々を啜っている緑色の頭の秀徳のエース様、緑間のせいだ。


『今日の12位はごめんなさい!かに座の貴方です。何も上手くできない災難な日かも。でも大丈夫!ラッキーアイテムの優しい年上の男の人と一緒にいれば運気も逆転するわ!』


カランカラン


緑間の箸が床に転げ落ちる。

そして、高尾を始め秀徳寮生は息を飲んだ。

これはまずい事になった、と。





「皆お弁当持った?」

「持ちました」

「火神くん、早弁のおにぎりは?」

「もちろんです!」


水無月は最終チェックを欠かさない。宿題や持ち物なども。

小学生か、とツッコまれそうな話ではあるがこのおかげで忘れ物0で学生生活を過ごしているのである。

ちなみに今日のメインは相田案のレバー入りハンバーグ。

スポーツ性貧血を予防するためにと考えられたものだった。

よく食べる火神たち1年生は早弁用にと大きなおにぎり2つ持たせている。


「水無月さん、僕行きたくないです」

「えっ!?黒子くんどうしたの?体調悪い?」


黒子が力なさそうに水無月を抱きしめる。

そんな黒子を見て水無月は慌てふためく。

2人の様子を見て1つため息をついた日向は黒子の頭に拳骨をお見舞いした。


「ダァホ!何言ってやがんだ。さっさと行くんだよ」

「主将・・・痛いです」

「痛いに決まってるじゃないか、黒子。我が儘は言うなよ」


あまりの痛みにしゃがむ黒子を伊月は無理やり立ち上がらせ、玄関へ向かう。

誰だって行きたくないのだ。

できればこのまま水無月と一緒に1日を過ごしたい。

それが誠凛寮生の小さくてでも大きな願いなのだ。




 




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