「んー。よく寝た」


朝6時30分。

いつもより1時間も遅い起床。

今日は日曜日で部活は休みの日。

男子バスケ部はオーバーワークが原因の故障を防ぐために2週間に1度日曜日をまるまる1日休みにしている。

今日がその日に当たるわけで、各々好きな事をして過ごす楽しみな日であったりする。

誠凛寮ではこの日を水無月の休みの日として、家事は自分たちでやる事にしている。

なので朝食も今頃誰かが作っているはず。

ゆで卵しか作れなかった黒子もどんどん料理のレパートリーも増え、日向も多少なりとも料理ができるようになった。

相田は言わずもがな。なので、基本後片付けを担当している。

ジーパンに白いワイシャツとラフな格好をしてリビングの方に行くと玉子と砂糖が焦げるいい匂いが立ち込める。

いてもたっても居られなくてキッチンの方へ行くと小金井がフレンチトーストを焼いていた。


「おはよう!水無月さん」

「おはよう。小金井くん。フレンチトースト?俺大好きなんだ」

「へへっ。水無月さんの口に合うかは分かんないけどこれ自信作なんだぜ!楽しみにしててよ」

「うん。小金井くんの料理とっても美味しいから楽しみにしてるよ」


水無月は小金井の頭を優しく撫でて、リビングの方へ行く。

そこでは珍しく早く起きている黒子と火神の1年コンビが食事の用意をしていた。


「あ、水無月さんおはようございます」

「おはようございます」

「2人もおはよう。珍しいね。2人が早起きするなんて」


にっこり微笑むと黒子と火神は照れくさそうに笑う。

本当に珍しく目覚めたのと、水無月に楽してもらいたいという一心で手伝っているとの事。

それからすぐに日課のロードワークから戻った日向や寝癖がちょっぴりついている木吉たちもリビングへやってきて楽しい食事の時間となる。


「じゃあいただきます」

「いっただきまーす!」


監督生である日向の掛け声の直後戦争とも言えるオカズの奪い合いが始まる。

水無月は一番楽しみにしていた小金井作のフレンチトーストを口に入れる。

ふんわり甘く、少ししょっぱく香ばしい。

自分が作るものよりとても美味しく思わず笑みが溢れる。


「水無月さん・・・美味しい?」

「もちろん!小金井くんのフレンチトーストってどうやって作ってるの?俺こんな味にならないからさ」

「えっと1晩玉子液につけて、焼くときに粉チーズ振りながら焼いてんだ」

「あーチーズか。だから少ししょっぱいんだね」

「そうそう。香ばしいでしょ?」


こうやって新しい味を発見できる事も日曜日の楽しみ。

今日もまた1つ、2つ味を発見して朝食の時間が終わった。


「御馳走様でした」

「御馳走様でした!」




 




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