主人公 Side

お風呂を沸かして、スープを温めなおす。

きっともうそろそろだろう。


「っただいまです!」

「おかえりなさい」


大慌てで帰ってきたんだろう。

皆息を切らし、汗も全然拭えていない状態で帰ってきた。


「さ、ご飯にしようか」

「はい!」


カバンを玄関の所にドカドカと置いてリビングの方へ向かう。

今日は豚肉のクリームソースがけにきのこスパソテー、野菜炒め、マリネ。そしてコーヒーゼリー。

皆きちんと手を洗って椅子に座る。


「いただきまーす!」


食卓は戦争だ。

黒子くんはあまり食べないからと火神くんが横取りしようとして日向くんに怒られる。

黒子くんに怒ってる最中に小金井くんや木吉くんが日向くんのお皿からおかずを失敬して、それまた怒る。

でもそんな様子を見てるだけで俺は今日の1日の疲れが吹っ飛ぶ。


「そうだ。水無月さんに申し訳ないんですけど明日から大きめのお弁当箱におかずだけ詰めてくれませんか?」

「おかずだけ?いいけどどうしたの?」


伊月くんはおずおずと申し訳なさそうに言う。

話を聞くと他の寮のバスケ部の子たちが俺の料理が美味しいからとおかずを取られているとの事。

俺の料理を褒めてくれるなんてすごく嬉しいなぁ。

俄然やる気もでてきた。


「うん。いいよ。沢山人数もいるだろうしお重にでも詰めるね」

「えっお重!?そんな大掛かりな事をしなくても・・・」

「だって人数いるし当たらない人がいたら可哀想じゃないか」


荷物多くなっちゃうけどよろしくね、と伊月くんの頭を撫でると伊月くんは顔を真っ赤にした。


「あー!伊月ばっかずりー!俺も撫でてよ!水戸部も言ってるし!」

「ん?いいよ」


両隣に座る小金井くんと水戸部くんの頭を撫でる。


「へへっ」

「・・・」


ほのぼのな空気が流れ、夕食の時間が終了した。









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