黒子くんは低血圧で朝に弱い。
そして寝癖も酷い。
「黒子くん起きて〜」
「んぅ・・・水無月さん・・・おはようごさいます」
「おはよ。起きれる?」
「なんとか」
もぞもぞとゆっくり起き上がる。
今日もまた一段とすごい爆発頭。
本人はそんな頭を気にすることもなくボーっとしている。
起こすのは火神くんほど労力はいらないけど、黒子くんの場合は起きてから覚醒するまでが長い。
でもそのままにしちゃいけない。だって前あまりにも遅くて見に来たら二度寝してたから。
やっと覚醒した黒子くんを見て俺は食卓へと向かう。
「あっ水無月さん!今日俺の好きなさつまいもの味噌汁にしてくれたんですね!」
「降旗くんがこの前の試合で活躍したって日向くんから聞いたから俺なりのお祝いだよ」
「ありがとうございます!」
ギューっと降旗くんは俺を抱きしめる。
少しびっくりしたが降旗くんの頭をゆっくり撫でる。
すると腰にもう1つ重みが重なった。
「降旗くんばっかりずるいです。僕も撫でてください」
「分かってるって。ちゃんと寝癖治ったみたいだな、黒子」
右手で降旗くん、左手で黒子くん。
この癒し空間は相田さんが日向くんを蹴飛ばした音が聞こえるまで続いた。
「御馳走様でした!」
「お粗末さまでした」
皆に弁当を渡す。
本当は昼食は業務には入ってないけどパンとかラーメンで済まされるぐらいならと俺はかってでる。
作るのは大変だけど皆から渡される空の弁当箱と笑顔を見れるだけで俺は嬉しい。
「今日のお弁当のメインはささみのチーズ巻だよ。相田さんの考案なんだ」
「カ、カントクの?」
「なによ。文句あるの?」
全員が固まる。きっと想像しているのはさしずめ相田さんの手作りだろう。
「大丈夫だよ。相田さんがしたのは考案だけで作ったのは俺だから」
そういうと全員胸をなでおろす。そこまで相田さんの料理食べたくないのかなぁ・・・。
たしかに刺激的な味だけど。
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