「んじゃ俺が結城を使って見せてやっから、結城は久遠にやれよ?」

「嫌だ!なんでそんな事をされなきゃいけないんだ!離せ!」

「死んでしまえ変態ガングロ!」


止めていた抵抗が復活するが、時既に遅し。

青峰は歩のモノを垂直になるように持ち上げ、消毒液に浸された綿球を鑷子で摘み尿道を消毒する。


「ひっ!」

「動くなよ。間違えて鑷子がお前の尿道口に刺さっちまうかもしれねーからな」


キラリ光る鑷子を青峰はチラつかせ歩の動きを止める。

消毒が終わると、カテーテルを1本取り出し、滅菌潤滑液を先端に塗りつける。


「嫌っ嫌だ!やめろっ!」

「ピーピーうっせんだよ。入れるぞ」

「あっ・・いっぐあ・・やだあああ!」


ゆっくり中に入っていく。本来入れられる器官ではないため違和感と不快感が襲う。

青峰は歩の叫び声を無視し入れる手を止めない。

ある程度入れるとその手はぴくりと止まり真白の方に顔を向ける。


「久遠お前に質問だ。入れている途中に抵抗を感じたらどうする?」

「っ角度60度に・・・傾けて、入れる・・・」

「正解。じゃねーとコレ使いもんにならなくなるかなぁ?まあ、別にこのまま入れてもいいんだけど」


青峰は支えている方の手に力を込め、その痛みに歩の体が震える。

その気になればやる。それが青峰という男で歩はその事を短時間で知ってしまったからだ。

しかし、そのまま入れすすめる事はなく真白の言う通り60度に傾け入れる。

カテーテルが膀胱まで行った事を感触で確認し、テープを使って固定した。

痛みしか感じられなかったはずの場所からじわりじわりと快楽を生み始めた事実に歩は目を背けようとした。


「ほらよ。これでカテーテル挿入の授業はおしまいだ。次は結城が久遠にやる番だ」


さっきまで行動を戒めていた駆血帯を外される。

腕には痕がついていた。

やれよ。そう見えない重圧が歩にかかる。

やりたくない、やりたくない。

歩の頭にはその事で一杯になり、ふと真白の顔を見ると既に涙が目から溢れていた。


「真白・・・」

「歩!まだ間に合うからやめろ!これ外して逃げるぞ!」

「結城」


2人の声がせめぎ合う。

逃げよう、やれ。やめろ!やれ。

歩は震える手で滅菌手袋を付けた。









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