大きな買い物を終えてベンチに日向と木吉は座る。

エコバックが4つと米が50kg。これが1週間で消えるというのだから驚きだ。

水無月は買い忘れがあるからとスーパーの中へ戻っていった。


「今日の飯番誰だっけか?」

「んーと黒子と火神かな」

「火神か。ならまともな飯食えるな」


火神は水無月を除く寮生の中で1、2位を争うほど料理の腕はいい。

黒子もまた最近めきめきと腕を上げてきたので安心して夕食を期待してよさそうだ。


「2人もお待たせ」

「水無月さん!」

「何買い忘れたんすか?」


んーとね。と小さな袋から出された3本の棒アイス。

あずきバーとチョコバー、白●アイスバーだ。


「今日はお米も買ったし重かったからご褒美。皆に内緒なんだからね」

「っありがとうございます!」

「俺あずきバー貰っていいですか?」

「もちろん。木吉くん選びそうだから買ってきたんだよ。はい」


木吉があずきバー、水無月がチョコバー、日向が白●アイスバーを選びベンチに3人で腰掛けてシャクシャクと食べる。

最近の学校の事だったり、みんなの前では言えないような悩みや話なんかをしながら食べ終わって寮へと戻る。


「おかえりなさい、水無月さん」

「ただいま。黒子。これ持ってってくれるか?」

「おい黒子。俺たちにはおかえりもねーのかよ。ダァホ」

「あ、おかえりなさい。キャプテン、木吉先輩」

「おーただいま。黒子」


日向は後輩の第一声に少し機嫌を悪くしながらも車の中の荷物をどんどんと玄関へ置いていく。

車のブレーキ音で気がついた他の寮生もぞろぞろと下へ降りていき荷物をキッチンの方へ持っていく。

キッチンではエプロンをつけた火神が夕食作りを始めていた。


「あ、タイミング悪かったか。ごめんね、火神くん」

「別にいいぜ、です。後煮込むだけなんで」


今日は肉豆腐を作ってくれたようだ。

そうこうしているうちに夕食、お風呂と日曜日がどんどん過ぎていく。

また明日から水無月は寮父としての1日を送る。

寝る前に家計簿をつけていると控えめに鳴るノックの音。


「・・・」

「水戸部くんか。んじゃもう遅いし寝ようか」

「・・・(コクン)」


水戸部が枕を持って水無月に誘われるがままにベッドの中へ入る。

肩まで布団に入った事を確認して電気を消す。


「今日はありがとうね。また明日から頑張るよ」

「・・・」


水戸部はこちらこそいつもありがとう、という気持ちを込めて水無月の頭を撫でる。

その思いが伝わったのかは定かではないが水無月はふふふと笑う。


「おやすみ、水戸部くん」

「・・・」




(おはようございます、水無月さん)

(おはよう、伊月くん。水戸部くんと一緒に皆起こしてきてくれる?)

(分かりました。行くぞ、水戸部)

(・・・)



昨日があるから今日頑張る




 




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