朝食の後片付けは基本1、2番に起きてくるのが遅い人になる。

いつもであれば黒子、火神がその役をするのが多いのだが今日は珍しく相田と伊月が担当。


「んもーまさか1年コンビに負けるとは思わなかったわ」

「はは。こういう日もあるさ。カントク片付けるよ」

「俺も手伝おうか?」

「ダメ!今日は水無月さん休みの日なんだからソファーでも座ってて!」


相田は水無月の背中を押してソファーへと座らせるように促す。

えっでもっと相田の気迫に負けておずおず座る水無月の姿を見て伊月はぷっと噴き出す。


「水無月さんコーヒー飲みますか?」

「うん。もらおっかな。伊月くんの入れてくれたヤツは美味しいから」

「分かりました」


相田に食器の洗浄を任せてコーヒーを入れる。

たっぷりのミルクと1つ角砂糖を混ぜて水無月に渡す。


「ありがと。んーやっぱり自分で入れるのより美味しいや。今度コツを教えて?」

「俺でよければいつでも」

「もー!伊月くん!こっち手伝いなさいよ!!」


ほのぼのとした空気は相田によって壊される。

自分だけいい思いしてるんじゃないわよ、というオーラがひしひしと感じられた。

伊月はそんな相田の様子を見て苦笑しキッチンの方へ戻る。

皿を拭いている合間、相田に何度も足を踏まれた事は内緒にしておく。


「ここ!つっちー!」

「ん?おお。こんな所にあったのか」

「・・・」


小金井と土田は唯一ある大きなTVでゲームをしていた。

しているゲームはホラーゲームのバイ●ハザード。

水戸部は小金井の横で1人じっと見ている。

水無月はホラーが特別苦手でも好きでもない。

が、小金井たちがしているゲームは見ていて面白いのでよくソファーに座って見る事が多い。

内容が面白いというよりもこうやって小金井たちがしている様子を見ているのが楽しいのだ。

土田はくるっと水無月の方に振り向きコントローラーを差し出す。


「水無月さんもやりますか?」

「ううん。俺は2人でやってるのを見てるだけで十分。ねっ水戸部くん」

「・・・」


水戸部もコクンと頷き小金井の傍から立って水無月の座るソファーの横へ座る。

手を水無月の太ももの部分においてじっとTVの方を見る。

水無月はそんな水戸部の手を優しく撫でながらゲームの様子を見る。

これが寡黙な水戸部の最大限の甘え方なのだ。









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